沈まぬ太陽(2)

山崎豊子(著) 新潮社
テヘランの上司・島津の人柄が、長い「流浪」に疲れ果てる恩地の家族の悲しみが続く中、救いの存在となります。さらにナイロビへと、僻地の赴任が続くわけですが、日頃接することの少ないアフリカの記述に引き込まれます。
凡人の感覚からすると、家族にここまで負担を賭けてまで貫く信念って共感できません。仲間の組合の人達が描かれるシーンに、ぐっと来るとはいえ。
国民航空の旅客機が墜落を続け、社が揺れ動くのを機に、恩地の帰国が実現する下りが一番の読みどころ。次巻はいよいよ「御巣鷹山編」。胸騒ぎがします。
沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下) (新潮文庫)
沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下) (新潮文庫)