沈まぬ太陽(3)

山崎豊子(著) 新潮社
冒頭から、墜落直前の123便の様子を追う、管制官の緊迫した場面が描かれ、息を飲みます。その後も、安易に読み薦められない文字が並ぶ。自然読むのが遅くなる。しかし無意識に内容を拒絶するのか、何度も読み返すことになる箇所がありました。
この事故は、助からない状況下、30分もの恐怖を被害者が味わった点がなんとも痛ましく、犠牲者数以上に悲劇である印象があります。また、事故原因についていまだに釈然としないという声も多い。そういう意味では、終わっていない。
謎の多いこの事故に関しましては、陰謀論的な解釈も数多くなされてます。一例を貼っておきます。
日航ジャンボ機が墜落して16時間という殺人的時間
小説でも、どうして最初に故障が発生した相模湾海底の捜索をすぐに打ち切ったかに触れています。また事故初期の米軍の援助を断ったのも謎で、自衛隊の訓練用のミサイルが誤って撃ち落としたとの説もあります。
沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 (新潮文庫)
沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 (新潮文庫)