コトラーのマーケティング3.0

フィリップ・コトラー他(著) 朝日新聞社

人間中心の企業でありながら、それでもなお利益をあげることは可能なのか。本書ではこの問いに対して「可能である」という答えを提供する。

経営学商学)が企業の営利追求手段を手助けするためのものでなく、他の社会科学系学問同様に社会をより良くすることを目指していることを証明します。
第一期はマーケティングは取引指向で、どのようにして販売するかに焦点を当てていた。第二期には関係指向になり、どのようにして顧客に継続購入させるかに主眼を置く。第三期には企業の製品開発やコミュニケーションに消費者を参加させる方向に移行している・・・とある。この最後のケースが「3.0」。
マーケティングの本に馴染みもなければ、巨人と聞くコトラーの名前を知ったのもつい最近。あれこれ言える立場ではありません。理想主義的で現実にそぐわない部分はさておき、目標を立てにくい時代にひとつの指針にならなくもないです。
コトラーの年齢を見ると、とても近年の情報や経済をめぐる情勢にアグレッシブな意見を言えるとも思えず、本書の完成は共著者のインドネシア人マーケターの力による面が多かったのではないでしょうか。
コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則
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