コリアン世界の旅

野村進(著) 講談社

日本に住む韓国・朝鮮系の人々が、なぜ日本人の目に「見えない」存在になってしまったのか。この謎に果敢に挑む著者の旅は、日本、アメリカ、ベトナム、韓 国に広がり、再び日本に戻る。私たちのすぐ隣にある「コリアン世界」を真摯に描いた、大宅壮一ノンフィクション賞講談社ノンフィクション賞ダブル受賞作 品。amazon:コリアン世界の旅-講談社文庫-野村-進

年末にBSで都はるみを特集してるのを見ながらネットサーフィンしてるあいだに存在を知りました。関西に住み始めるにあたって、自分も深く考えてっみたかったし、子供に聞かれた時にどう答えたらいいかのヒントが書いてあると期待しました。これは名著です。
見えてるようで見えてない在日韓国・朝鮮人についての記述に始まり、在米コリアンや韓国が加害の立場として関わったベトナムの取材、北朝鮮の問題、これからの未来への提案と筆は進みます。
作家の高史明の言葉には可能性が溢れてます。「恨の心を越える心」「忍耐する自分を忍耐する」「千年・二千年の視野で考えなければならない」。東アジア情勢が緊迫する中、むき出しの排他的な言説がネットに溢れてます。それに同調する自分もいる。しかしそれは時代を逆行させかねない危険性があることに気付かされます。
コリアン世界の旅 (講談社文庫)
コリアン世界の旅 (講談社文庫)