日本辺境論

内田樹(著) 新潮社
冒頭で、反論を受け付けないよう言い訳がましい文体を連発するので、好きになれない本かなと思いました。まるでブログでも読んでるような味気なさは、悪い意味で「バカの壁」を連想。こんな本が高い評価を受けてたことに、日本人の読書力の低下を感じたり。偉そうですが。
読み進めてると、ぐっとのめり込む部分も多く見受けられます。それはたくさんあって、なかでも印象的だったのは、戦前の日本について書かれた部分。かねてから対華21ケ条要求のあたりで日本は舵取りが困難になったと考えてましたが、その点についての説明を助けてくれる文章がありました。簡単にいうと、19世紀的帝国主義を欧米が放棄する時代に、日本は変われなかったから孤立したと。他国の判断基準からずれた、政策の判断ミスだったと。正解かどうかは別にして、腑に落ちるものがあります。日英同盟アメリカの利害に反したのが最大の理由と考えてたんですけどね。
「学び」についての考察も面白いです。むしろこちらが肝かと。
日本辺境論 (新潮新書)
日本辺境論 (新潮新書)