百寺巡礼 関西

五木寛之(著) 講談社
和歌山の寺院が多く取り上げられます。巻頭には高野山。だが、筆者は真宗に造詣が深いからか、空海という大きな存在への記述には物足りなさを覚えました。
親鸞の師匠筋に当たる最長を、「滋賀」で取り上げた際は、天台宗ともども詳しく立ち入った印象があったのに。
和歌山についての考察は面白いです。近畿に住む人間にも遠い土地。2回行ったものの、ここまで思いを巡らしたことはありません。神話の国であり、黄泉の国でもあり、反中央政権の戦いを何度も行った国。語弊を承知で、いい意味で外界といえる面がありますね。
百寺巡礼〈第6巻〉関西 (講談社文庫)
百寺巡礼〈第6巻〉関西 (講談社文庫)