北物語

4年ぶりに再読。1度読み終えた本は手放すことが多い中、ずっと手元に置いてたのは余程面白かったのでしょう。今回改めて納得。知識欲も満たしてくれますが、著者の北海道への想いがものすごい。越して来て6年。初読みの時とは感想が変わっていて、北海道を「外から」ではなく「内から」見るようになってました。

無自覚な帝国主義の矛先は、いずれ自民族内の弱い部分に向かって行くのはあたり前で、野蛮、土人、未開と切り捨てられたアイヌに代わる「一定の文化段階に達した民族」たる同胞(北海道人のはじまり)へのあつかいが、結局この有様なのである

北海道開拓初期の「乞食移民」「囚人労働」について書かれた所から引用。そのまま現代日本に置き換えられる内容で怖い。100年以上経って、「自覚的」であるはずなのに。本はもう廃盤みたいですね。Amazonで見てもそれほど売れなかったようですが、いい本ですよ。

amazon:北物語―“試される大地”への11通のラブレター