戊辰戦争 裏切りの明治維新

星亮一(著) 静山社文庫
内容(「BOOK」データベースより)

慶応四年(一八六八)一月、幕府軍鳥羽伏見の戦い薩長軍に敗れた。戊辰戦争の始まりである。勝てるはずの戦で会津藩奥羽越列藩同盟軍はなぜ負けたの か。薩長軍はなぜ会津を殱滅しなければならなかったのか。略奪と破壊の権力抗争に身命を投じて敗者となった奥羽越列藩同盟軍の志士。秘められた戊辰戦争の 悲劇と「官軍」という名の賊軍の実態など、葬り去られた明治維新の闇を浮き彫りにする。貴重な新証言を多数収録。

序盤で徳川慶喜の資質に疑問を抱く文章が現れます。司馬遼太郎なんかは、慶喜を思慮深く内戦を避けるのに尽力した君主のように書くけど、素人目には思慮深過ぎ。ここで書かれる非難の方が、同調し易い。
裏切りをキーワードに、わかりにくい戊辰戦争をまとめてくれます。裏切りをしたのは、尾張藩・官軍に白河の道案内をした大平八郎・三春藩新発田藩米沢藩など。
敗因として大きいのは、序盤の白河の敗戦。勝てば官軍の言葉通り、逆に列藩同盟が勝利していたら、他の藩が東北になびいた可能性がある。他に盟主仙台藩が弱かったことも残念。それらの根底には、武器の差があります。事前に十分な準備をしたかどうかの差。
東北ではこの戦争に詳しい人が多く、畿内との差に驚きます。他の人が書くとどう映るのでしょう。私の関心もまだまだ消えそうにありません。

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戊辰戦争 裏切りの明治維新 (静山社文庫)
星 亮一
静山社 2010-08-04
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by G-Tools , 2012/05/10