セックスメディア30年史

荻上チキ(著) ちくま新書
「メディア」とあるくらいだから、ビデオや雑誌、Webに関する物が中心かと思うと、Q2やアダルトグッズ、デリヘルなんかについても詳しい。そうなると「風俗史」になりかねず、守備範囲を広げすぎた感がありました。AVや雑誌に関する情報には、恥ずかしながらほとんど意味を理解できる私がいます。しかしその他は全くチンプンカンプン。出会い系なんかは異世界もいいところ。当時、公衆電話にたくさんの張り紙があったような記憶は甦りましたが。部屋に隠りがちな自分と違って、実際に街で積極的に動いていた人がたくさんいた事実に、なんだか羨ましいような感情が湧いてしまいます。
コンビニで見かけるエロ本を、今時誰が買うのか疑問でしたが、無料で「オカズ」を見放題のネットから疎外された中高年が対象なんだと聞いて納得。20代前半の可愛い子が表紙なのに、そうなんだ・・・。とにかく自分にとっては、無修正ビデオをPCやスマホで見放題な現在の状況が脅威ですらありまして、そちらに関する詳細が知りたかったのですが、サンプル動画で広告収入を得る掲示板サイトに関する取材にとどまっていたのが残念。以前は雑誌一冊買うにも、お金がかかるうえに「店員さんの壁」がありました。さらに隠し場所や、増えすぎた後の捨て方に悩んだりしたものですが。

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セックスメディア30年史欲望の革命児たち (ちくま新書)
荻上 チキ
筑摩書房 2011-05-11
売り上げランキング : 10117

by G-Tools , 2012/02/28