戦争の日本史18 戊辰戦争

保谷徹(著) 吉川弘文館
「鳥羽・伏見」「関東」「東北・越後」「函館」へと至る、広大な範囲にわたった内戦の詳細を記してます。今年になって、秋田県大館市戊辰戦争の戦場だったなんて初めて知りましたが、他にも新庄、本庄、平、野辺地、天童などなど、会津に象徴される有名な戦場の他にも、東北各地で戦があったことを知ることができました。
あくまで、軍事にまつわる専門的な史書。大局や主観ははぶかれています。旧幕軍と新政府軍の勝敗を分けた軍備の違いがよくわかるし、奥羽列藩同盟に参加した諸藩の、参加意識の大きな違いが、まとまりを欠き早々と敗北した原因なんかも理解できる。しかし、学術書ならではの味気なさ、無味乾燥さは否めません。「賊軍」の死体への残虐さを取り上げた部分は、身の毛がよだちましたが。
東北が一丸となって西国に抵抗した希有な例で、古代より幾度も繰り返された討伐のひとつと考える向きもあります。私もそうです。歴史の結果の是非はともかく、心情的に肩入れする面があります。

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戊辰戦争 (戦争の日本史 18)
保谷
吉川弘文館 2007-11-16
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by G-Tools , 2012/01/27