新説 母馬血統学 進化の遺伝子の神秘

吉沢譲治(著) 講談社

名馬の秘密は母系が伝える特殊要因だった!血統は奥が深い。一流の父馬に一流の母馬を組み合わせれば、子も一流となるとは限らない。正体不明の血統が突然 変異で爆発的な能力を発揮するメカニズムを解明! amazon:新説-母馬血統学――進化の遺伝子の神秘-講談社プラスアルファ文庫-吉沢-譲治

単行本で出た時にも読んでます。サラブレッドの強さの秘訣は種牡馬よりも母系に由来するという。本当は50/50なのでしょうが、いくら強い牝馬でも年に1頭しか出産できない。サンプル数の少なさがかえって価値を高める面はあるかもしれません。名牝を持てるかどうかが、生産牧場に取っても大きな課題なのでしょう。先頃も社台が、海外G1牝馬を買いまくったとの報がありました。POGだって、母馬見て決めてるし。
血統書に載ることもある「ファミリーナンバー」を解説した部分に読み応えあり。さらに印象に残ったのは、100年ほど前のエピソードとして紹介される、イタリアのオーナーブリーダーの物語。簡単に言うと、ベスト×ベストの配合より、3流の種牡馬であれ「恋に落ちて」できた仔が強くなったという話。なんとも信じがたい話ですが、F・テシオも重視してたらしいです。
新説 母馬血統学――進化の遺伝子の神秘 (講談社プラスアルファ文庫)
新説 母馬血統学――進化の遺伝子の神秘 (講談社プラスアルファ文庫)