[映画]THIS IS IT
2009年(米) ケニー・オルテガ監督

今年の夏、ロンドンのO2アリーナで開催されるはずだった彼のコンサート”THIS IS IT”。本作は2009年4月から6月までの時間の流れを追いつつ、百時間以上にも及ぶリハーサルと舞台裏の貴重な映像から構成されています。幻 となったロンドン公演の監督を務めていたケニー・オルテガが映画も監督し、全世界同時公開された。amazon:マイケル・ジャクソン-THIS-デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組)-DVD-ケニー・オルテガ

マイケルが本気でステージを作り上げている、その様子がよくわかります。亡くなったのが惜しい。「The Way You Make Me Feel」のところ、キーボード奏者に細かく指示をする場面で、観客のイメージ通りにレコードのまま演奏するよう求めるマイケル。そうなんですよね。そこが「King Of POP」たる所以で、曲作りを自己満足のためじゃなく、より多くの人の心に届くよう制作していたのがよくわかります。
80年代当時、「マイケル派かプリンス派か?」なんて区分けがなされ、自分はプリンス派だったわけですが、より広い層に受け入れられようとしてながらクオリティの高いナンバーとステージングを非難したことはありません。少し後追いですが、ビートルズじゃない「現在形の洋楽(当時)」で初めて好きになれたのが「スリラー」ですし。リアルタイムでは「BAD」発売時の騒ぎや初来日しか知りません。そのため、先行シングルだった「Can’t Stop Lovin’ You」が自分にとって妙に印象深いものになっています。
マイケルの魅力は曲にとどまらず、そのダンスやルックスも重要。50歳になって当時からすると大きく衰えてしまったフィジカル面が痛々しい。マイケルのステージの難易度が高いが故の悲劇。もっと楽に仕事しているアーチストなら、こうまで気にならなかった。
死という残念な形によってとはいえ、昨年の大ブームと再評価は本当に良かったです。人は亡くなって初めて本当の評価が定まるというのはある意味真実かも。
マイケル・ジャクソン THIS IS IT デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]
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新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書
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