母なる証明

2009年（韓）　ポン・ジュノ監督

体に思考力の成長がついてゆかない息子・トジュンを、母親はつねに心配していた。トジュンには悪友・ジンテがおり、トジュンが轢かれかけた議員のベンツに 復讐した際、協力したジンテからバックミラーを破損させた責任を転嫁されたことから、母親は彼との絶交をトジュンに勧めるほどであった。そんなある日、ト ジュンはナンパしようとした少女に逃げられた。そして次の日少女は死体となって発見され、トジュンは殺人容疑で逮捕された。息子が殺人など犯す筈がないと 信ずる母は、警察や弁護士に追いすがるが、その努力も無駄と知り、自らの手で事件を解決しようと奔走する。wikipedia:母なる証明

好きなシーンがふたつ。母親が息子の友人の家に忍び込む場面。住人が寝てる隙に抜け出るまでの時間を、映画的スリルに溢れた描写で描く。もうひとつは暴漢に襲われた女子高生を助けようと、ガラスの瓶を落とす場面。監督にこういう細やかなテクニックがあるかないかは大事。伝えたいことがあるだけでは、映画に鑑賞者として要求するものを十分に満たしたとは言えません。
すぐれたサスペンスでもありますが、謎が謎のまま観客にゆだねられてます。その謎も、事件の真相だけにとどまらない。なかなかいい映画。
母なる証明 スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]