マリーシア

戸塚啓(著) 光文社
サッカーにおけるマリーシアというと、シミュレーションに代表されるズルいプレイに捉えられがち。本書ではもっと幅広く、「知性」「創造性」、はたまたある日本で活躍するブラジル人選手の言葉を借りれば「サッカーの全て」とさえ定義。戦術論の否定からスタートする冒頭から、異端の説と判断できません。教えられる物は多いし、日本のサッカーにはまだ欠けてる部分がたくさんあります。それは、伸びしろがあるということでもあります。
先日F1のトルコGPを見てたら、レッドブルの2台が味方同士で接触。リタイアした方のドライバーが、なんかこう演じてるわけですよ。複雑な状況を。完走したドライバーのコメントも意味深。それに対し、日本人ドライバーのインタビューは素朴で、高校野球の選手みたい。これもマリーシアの有無だと思う。簡単な説明が難しいです。読んでもらうと一番いいです。
広く国民性を歴史から探ってみても、米注両大国と全面戦争をした日本は、かなりのマリーシア不足かも。小次郎にはなくて、武蔵にはあったとも言えそうです。
マリーシア (光文社新書)
マリーシア (光文社新書)