W杯に群がる男たち

田崎健太(著) 新潮社
08年に「ビジネスウィーク」誌が発表したスポーツ界で最も影響力のある25人に、電通の高橋治之が日本人として唯一選ばれました。電通が日本とFIFAのみならず、IOC世界陸上との間に太いパイプを持っているばかりか、一時はFIFAにとって無くてはならない存在だったとさえ言える様子を、私たちはほとんど知らない。同じように大きな存在であるアディダスを、よく知ってるのとは対照的に。
FIFAの権力争いや、スポーツビジネスの巨大化の歴史を追った本書に、サッカーの名勝負・名選手のことはほぼ全く出てきません。しかし、これもサッカー。しかも重要な側面です。とてもいいノンフィクションです。単行本しか出てない時から気になっていたものが、加筆・文庫かされて嬉しいです。
しかし電通ってよくわからない組織です。UEFAFIFAのDVDにその名があるから、サッカービジネスに大きく関わってる事は想像してましたが、まさかこれほどまでとは。まるで諜報機関にようですらあります。表に出ないよう、細心の注意とマスコミ統制を行ってるのではないかと疑っています。
W杯(ワールドカップ)に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇 (新潮文庫)
W杯(ワールドカップ)に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇 (新潮文庫)