ドキュメント高校中退

青砥㤗(著) 筑摩書房
大卒もしくは高卒の就職率の厳しさが大きく報じられる一方、さらに厳しい現実の洗礼を受ける高校中退者についてのデータまでは、あまり知られていません。数多くの聞き取りからその実態を報告し、文科省発表データの欺瞞や将来のあるべき教育の姿を提案しています。
階層の固定化に伴う貧困の連鎖という言葉はよく耳にします。しかし詳細な実態を読むと、ここまで過酷な幼少期を過ごした人がたくさんいることを辛く思う。ネグレクトを受けた子供が底辺校に入り、また貧しい生活のなか同じような子供を育ててしまう。機会の平等もないまま、自己責任という考えに帰するのは残酷。高校の義務教育化と無償化は、社会の実態を見たら当然起こってしかるべき意見でしょう。
子供達は、未来の社会の担い手なのですから。
そういうえば、教育バウチャーなんて言葉がありましたね。
ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所 (ちくま新書 809)
ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所 (ちくま新書 809)