必死剣 鳥刺し

2010年(日) 平山秀幸監督

海坂藩の中級武士・兼見三左ェ門は、能楽の観衆たる藩士たちの目前で藩主・右京太夫の側室・連子を刺殺した。生活が贅を極め、それを諌めた忠臣を切腹に追 い込んだ毒婦ながら、彼女を殺めた兼見は打ち首が相応と思われただけに、中老・津田から1年の閉門と降格の罰のみを申し渡された兼見は驚く。しかし、それ が津田の藩主への嘆願ゆえと聞かされた彼は、温情に背かず刑期を過ごすのだった。姪の里尾のみを世話係として傍におき、禄なき暮らしを続ける兼見をよそ に、藩主の政策は身勝手を極め、農民たちは重すぎる年貢に直訴を試みんとしていた。それを止めた藩主の従弟である隼人正は、次第に藩主への不信の念を深め ていった。彼が謀反をたくらんでいるとの噂を聞きつけた津田は、ある日秘剣を会得するという兼見を呼び、密命を託すのだった。wikipedia:必死剣_鳥刺し

またもや藤沢小説が映画化。江戸時代に舞台を借りつつ、現代の組織社会に生きる幅広い人達の共感を生んでると聞きます。山田洋次が撮った作品の中には、正直眠たくなるものが多かったけど、これは良かったです。小津的ではなく黒澤的に感じました。そこが合ったのかな。
吉川晃司が出ていたのに驚きます。伝統的な時代劇の踏襲をしつつ、個性的な配役が新鮮。ストーリーは、会社員のはしくれには身につまされるシーンも多数。あっと驚くストーリー展開に、わかり易いテンポや演出。一級のエンタテイメント。
必死剣鳥刺し [DVD]
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