空中庭園

2005年(日) 豊田利晃監督

母親は「この家に隠し事はない」と常々言っている。しかし、彼女自身が隠し事を持っていた。それどころか、夫婦のなれそめ自体に彼女のたくらみがあった。しかし、彼女は「隠し事がない」理想の家庭を築きたいと願っていたのだ。それはなぜなのか。
性格にややちゃらんぽらんなところがあり、性懲りもなく浮気をしている父親は、数年前から妻に性交渉を拒否されている一方で、外に作った女に無邪気に甘えている。 そんな男を、愛人は冷ややかに見ている。結婚なんてまっぴらごめんだ。しかし、なぜか、女は男の家を覗いてみたくなる。 そして、弟の家庭教師になって、その家に入り込む。
登場人物それぞれが、家族について、自分の存在の根本部分について、はっきりとは意識しかねるけれど、不安を感じている。 彼らが愛し、憎み、無関心ではいられない家族とは何だろう。空中庭園のごとき、不安で、だけれども、清潔で美しい佇まいの家族の肖像を描く。wikipedia:空中庭園_(映画)

このところ日本映画を立て続けにみています。私にとって映画とは、違う人間に感情移入することによる一種の幽体離脱に似た感覚をもって、現実逃避をすることにあるんですよね。そうすると、より遠く映画行けそうな洋画に手を出してしまい、気になる邦画に見落としたものがたくさんあるのです。そこら辺を解消したいのです。
主演は、「なんてったってアイドル」などのヒット曲で「ザ・アイドル」的存在だった小泉今日子。女優としての評価は高いようですが、年取ったなあと感じるばかり。
映画は、想像していたのとは全然違っていました。監督はこの撮影後、覚せい剤所持で逮捕されたとのこと。作品に漂う病んだサイケ感との因果関係がありそう。私の感受性の規格外にあるため、うまい感想が綴れません。
空中庭園 通常版 [DVD]
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