リダクテッド　真実の価値

「カジュアリティーズ」「ブラック・ダリア」のブライアン・デ・パルマ監督が、イラク戦争で実際に起こった事件を基に、戦場の真実の姿を暴き出す衝撃の問題作。タイトルの“リダクテッド”とは、残酷なシーンや不都合な情報を削除した“編集済み”の映像という意味でアメリカのメディアで使われる言葉。政府によりコントロールされた戦争報道を繰り返すマスメディアに危惧を覚えたデ・パルマ監督が、そうしたマスメディアが扱わない兵士のプライベート・ビデオやアラブやヨーロッパのニュース映像といった様々なフォーマットの映像をリアルに再現して、戦場での出来事を生々しく迫真のドキュメンタリー・タッチで綴ってゆく。
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湾岸戦争以降、戦場の映像が厳しく「検閲」されてることへの反発が、こういう作品を撮った動機なんでしょう。日本でほとんど話題になりませんでしたが、「アンタッチャブル」「ミッションインポッシブル」「ファントム・オブ・パラダイス」などの傑作で知られるデ・パルマ監督作品。
先日、朝日新聞の相談コーナーに、この監督のファンという青年と投稿があり、回答者の明川哲也が「リダクテッド」でアメリカ保守層の反感を生み、上映規制となり、現在干されてるんじゃないかと心配してました。
ネットで調べると、イラク駐留米兵による性犯罪の記述はたくさんありますね。アブグレイブ収容所の問題さえ、実態の割に報道が少ないと思うくらいですから、それくらいじゃほとんど話題にならない。そのアブグレイブでも、女性収容者への性犯罪があるらしいという報道もあります。
エンタテイメント性が皆無。現在進行形の問題に警鐘を鳴らした勇気をたたえたい。
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