カポーティ

2005年(米・カナダ) ベネット・ミラー監督
良い映画を決める要素はいくつもあって、見る人それぞれ重視する部分は違うと思います。私にとって、テンポや映像の美しさはとても重要。その点で本作の、画面に飽きそうになったころに入る風景や、遠くから建物を撮った映像がなんとも心地よかったです。カポーティという作家も、聞いて「その人か」ってくらいの知識しかなく、もちろん映画の元ネタになる小説「冷血」も未読なため、知ってて見たら随分違ったことでしょう。でも、主人公が取材対象である容疑者に抱く複雑な感情(同性愛的感情含む?)は、見応えある表現でした。ラストも好きですね。地味な映画ですけど、文芸作品らしい一本。